インジケーターとは・・・相場の分析ツールです。
初心者の方も含めて利用にあたっての私なりの留意事項を記載します(‘ω’)ノ
インジケーター利用にあたって
MT4を使い始めた当時の私はインジケーターを表示させるのが好きで、子供がおもちゃで遊ぶように様々なインジケーターを表示させて検証を行っていました。しかし、検証を行うための基本知識がない状態だったため、ほとんど身にならず、地力に繋がりませんでした。
基本知識とはインジケーターが何を示しているのか、価格に対して何を表しているのか、特性そのものです。
インジケーターを利用する際には価格をどう捉えて、何を示しているのか本当の意味を理解しなくては上手く使いこなすことは出来ないと思います。
インジケーターは計算式の『解』を表示したもの
自分で分析したインジケーターを作り始めてから悟ったのは、どこまで突き詰めても過去の分析でしかなく、数値をこねくり回しているだけだ。ということ。
例えばですが、RSI、ウィリアムズ%R、ボリンジャーバンドの計算式は以下のようになっています。
■RSI 計算式
n(パラメータ値)
① RS=(n日間の終値の上昇幅の平均)÷(n日間の終値の下落幅の平均)
② RSI= 100 -(100 ÷(RS+1))
◆ウィリアムズ%R
(n日間の最高値 − 当日の終値) ÷ (n日間の最高値 − n日間の最安値) } × 100%
■ボリンジャーバンド標準偏差 計算式
標準偏差=√(n×n日間の終値の2乗の合計-n日間の終値の合計の2乗)÷(n×(n-1))
±2σ = n日の移動平均 ± n日の標準偏差 × 2
このように過去の時間/日が ”n” に代入され、計算式によって導かれた数値(解)を表示しているものがインジケーターです。
計算式の違いによる『解』の違いが、インジケーター表示の違いです。
より現在値に近い数字が反映されてる計算式の場合、現在の価格に対して反応が速くなり、
より平均的(統計的)に多くの情報を反映した計算式の場合、現在地に対して反応が遅くなります。
どちらも一長一短です。
インジケーターそのものの理解
前述の計算式のように、ほとんど全てのインジケーターが『過去の価格』を様々なアプローチで計算式に入れて、導き出された数字をローソク足とは違う形で過去の状態を表示しているのがインジケーターです。
どのように計算しても過去の価格を計算に利用していることに変わりがなければ、過去の状態を表示しているものでしかなく、当然ながら未来を指し示すものではありません。
私の場合は、過去の統計情報を集約して色んな形状で表示するものと思っています。
・形状をグラフィカルに表示することで視認性が高まるため、判断スピードが上がる
・色々なアプローチで計算した情報が集約されることで状況判断材料が増える。
この点がインジケーターをトレードに生かす優位性に繋がります。
インジケーターの有効期間を考える
インジケーターは過去の価格を参照していることから、計算式の『解』には有効期間があります。
逆説的に言えば、1分足で矢印で買いサインが出て、5日経ってもその矢印サインが有効なはずがありません。どこかで有効期間が切れているはずです。
インジケーターの計算式を意識する必要はありませんが、漠然と見るのではなく、どこまで有効なのかを意識する必要はあると考えています。
MA8であれば、足8本分有効と捉えるのが一番シンプルです。
RSI14であれば、判断した足から14本で判断した足からの有効期間は切れたと考えています。
以下はRSI30以下、70以上からの反転で売買エントリー判断した場合の例です。
①②は14本過ぎた時点で振り返ってみて見ると、RSIがギザギザになっており、綺麗に反転していません。
判断した足で期待していたイメージとは途中経過でもギャップが発生しているはずですが、最悪、足14本で有効期間が切れた。
もう判断した足からの優位性はなくなったと判断できるため、無駄にポジションを持ち続けることがなくなります。
③は綺麗に反転しています。足14本の有効期間までは連動性があるため持ち続けられます。
14本経過でRSI逆エリア付近に来ているので、この辺りで手仕舞いしようと判断できます。
④も綺麗に反転しています。しかし、③ほど傾斜がありません。
有効期間まで継続的に状況を判断します。
この継続的に状況を判断できることがシステムトレードの優位点です。
毎回、③のように綺麗に反転する可能性は低く、相場の波動は大中小様々です。
チャートからの情報をアップデートして見ていくことが出来るため、
判断足を変更し再度、状況判断を行うことができます。有効期間の延長とも言い換えれます。
また、これはまた冒頭に挙げたインジケーターの特性を知っておくということでもあります。
価格に対して鈍いうごきで反応してきているのか、速い動きで反応してきているのか、その時のインジケーターの動きは?
などの細かな点です。
RSIが30付近70付近に注目して見ているだけではなく、途中経過の反応の仕方なども捉えておくことで、継続的な状況判断が可能となります。
インジケーターの組み合わせ
有効期間を理解したら組み合わせて行きます。
組合せで重要なのは、あなた自身がどのくらいの期間(時間)でトレードを行うか? です。
例えば1トレードを8時間程度で取引を完了させることを目標としている場合、
4時間足2本分、1時間足8本分、30分足16本分、15分足32本分、5分足96本分、1分足480本分です。
足の数が少なすぎると情報が取れませんので、足の本数があるものを選択してトレード判断チャートに利用します。
ここでの例では5分足を選択した例で記載します。
5分足96本分の判断にフィットする参照期間でインジケーターをセットします。
フィットしない参照値は無駄な情報になるため、基本的に必要ありません。
フィットする参照期間の目安はチャートの見方や利用インジの価格への反応スピードにより変わりますが、
凡そは必要な足の本数1/10~3倍で十分と考えています。
以下はトレード基準となるMA96の1/10となるMA10と3倍のMA288、その間にMAを表示させた例です。
これで短期~長期までの流れが読み取れるはずです。
インジケーター利用のマイルールがシステムトレード
インジケーターを利用していく際に、この表示でエントリー、この表示なら継続判断、この表示でイグジットというような
トレードを行う上でのマイルールを確立し、そのマイルールを守ることでシステムトレードが確立します。
上記のMAのマイルール構築例で言えば・・・
MAが密集した状態(レンジ)から拡散パーフェクトオーダーの形で短期MA10が上抜けしたらエントリー。
短期MA10が基準MA96、もしくは基準1/2のMA48をデッドクロスしたらイグジット。
このマイルール中で、優位性のあるポイントは押し目戻りでエントリー。という具合です。
今は長年かけて検証して来たトレード手法が販売されていますし、無料で公開しているものも多数あります。
ここまでで記述して来たことは私も長年、試行錯誤してきたことです。
インジケーター利用のポイントとして抑えてシステムトレードを確立すれば、
トレード技術は確実に向上していくことと思います。