誰もが経験したことがある『EAあるある(´△`)』からの逆算的に記事にしてみます。
①バックテストで凄まじく勝てているのに、リアルだと何故か勝てない。
☛ 再現性がないからです。
例えば、下のバックテスト結果をご覧ください。
SLが『 8 』と超狭く、TPは平均15あります。
これで驚異的に右肩上がりです。スプレッド25でのテストにも関わらず、
SLに対して倍近い利益を獲得しているのに勝率が64%という
超優秀なEAです。
実際、リアルで稼働させるとクソ(‘Д’)EAです。SLにかかりまくりで右肩下がりです。
裏技的にこういうEAは作れる例です。
販売だけが目的の騙し系EAです。騙されないためには買う前にリアルフォワードの成績を見ることですね。
②EAを運用し始めた途端いきなり勝てなくなる…。
☛ 制作者が過去にフィッティングさせ過ぎです。
EAの制作者は自身が作ったEAの成績を長期間で確認する方法は
バックテストしかありません。
そのため制作者はバックテストを繰り返しながらEAを作っていくことになります。
しかし、右肩上がりの成績になるEAはなかなか作れるものではありません。
どうにか成績は良くならないものかっとフィルターを足していき、数字を設定し、
オプティマイズをかけると、段々良い感じの右肩上がりのEAに仕上がっていきます。
このような思考・手順でEA制作者は一時、数字のマジックに襲われる瞬間があります。
数字だけに囚われるとロジックそのものは薄くなり、ある数字設定の値動きが来た時だけ
勝てるEAに仕上がってしまいます。
相場はランダムでボラティリティは常に変動しています。
値動きをシステムで捉えるためには数字で機能させるのではなく、『ロジックが機能』しなけれなりません。
以下、凡例ですが、オプティマイズを行った期間の成績は右肩上がりですが、
オプティマイズ期間外の成績はヤヴァイことになっています(;´Д`)
オプティマイズした期間の値動きは対応できるが、それ以外の値動きは安定しないという結果を生み出します。
成績の良かった期間の値動きが未来永劫続くとは限らないため、相場の変化で急に成績が悪くなることがあります。
こういうEAは星の数ほど売られています。
販売者は右側の期間の成績しか見せませんし、成績良好期間だけ見せて、
言葉巧みに販売を行います。カーブフィッティングを見破るのは非常に困難です。
焦って買う必要は全くありません。損失を出すだけなら稼働させても意味ないので。
慎重にいくのであれば、販売されてから半年以上過ぎてもリアルフォワード成績が
しっかり出ているのかを確認されると良いと思います。
③勝率97%!ほとんど負けないから安心運用!
☛ 勝率や連勝記録だけを推すEAはロクなことがありません。
『勝率』や『〇連勝』という文字に惹かれる人は過去の取引経験で
負けてきたことが多く、勝率が高いと勝てる=利益が出る と勘違いするからです。
EAで重要なことは稼働させた後、利益を積み上げていけるかが判断基準であり、
勝率は利益と関係ありません。
極端な例で言うと、
・1年に2回の取引して勝率100%
・TP1に対してSL100で勝率99%
これじゃ全然利益になりません。
とはいえ、利益が出せるEAでも勝率が極端に低いとEAはまた負けるのか?このままずっと負け続けるのかという不安が過るため、稼働を続けるには精神力や残高の余裕が必要になってきます。安心して稼働できるEAは利益曲線が右肩上がりで、極端な山谷がなく、勝率70%前後が妥当なラインと思っています。
その上で重要な要素はPF(プロフィットファクター)、RF(リカバリーファクター)、最大DD(ドローダウン)、取引回数です。
月10回以上の取引で、利益:損失が50:50で勝率が70%を超えていたら素晴らしいEAです。
もし見つけたら是非、紹介してください( ゚Д゚)
④SLが狭く、ピンポイントに相場を捉えるEA!
☛ ピンポイント過ぎるEAは近い将来使えなく可能性が高いです。
EAやインジケーターが常にピンポイントに勝つことは、ほぼ不可能です。
上記のように良いポイントのみ切り取って掲載しているEAは危険に感じて下さい。
ピンポイントということはトレンドがどこまで伸びるのか、どこで反転するのかを正確に判断しているということになりますが、判断するには売買ポイントまでの値動き、ボラ、節目、価格帯、他通貨の影響、政策金利、国の情勢、その他ファンダの複合的な要素を読み取らなければなりません。
EAはプログラムなので、後々出てくる政策金利や雇用状況を事前に織り込んで書いておくことはできません。そのため、SLを狭くしてピンポイントで狙えていた売買ポイントも徐々に変化するマーケット、
市場の動向により徐々にポイントがズレてきます。
現在、ピンポイントで狙えているEAは②にも当てはまりますが、現在にフィットしているため、
近い将来機能しなくなる可能性があります。
また、SLの広さは相場の値動きの許容範囲設定でもあるため、SLが狭いと売買ポイントのズレを
許容しないことになり、相場の変化に対応できず負け続けてしまう可能性があります。
こう言うと、逆にSLが広ければ、許容範囲が広くて良いかというと、そうではなく、
SLが広くロジック損切決済がないと売買ポイントの優位性を失ってしまってもポジションを保有し続け、
任せトレードになってしまうことがあります。これでは安定して成績が出ないことは言うまでもありません。
ロジックにあった適正なSL設定が必要であり、相場の変化に合わせて設定を見直す必要があります。
⑤資産曲線が右肩上がり!毎日が給料日!月利30%!
☛ 99.9%ナンピンマーチンゲール戦略です。いつか必ず口座破綻が起きて資金をすべて失います。
以下のように資産曲線が綺麗すぎるほどの右肩上がりのEAは99.9%ナンピンマーチンゲール戦略です。
エントリー方法は以下のように相場と逆行した場合、救済ポジションとしてナンピンマーチンゲールを行います。
大抵のマーチンゲール戦略は最後のエントリーから20~30pipsの戻しで含み損を解消して逃げるように設計されています。
どこかで戻しが入れば勝ち続けることができるので、それまでは資産曲線が綺麗に右肩上がりです。
上記画像のようにリンク先がなく画像のみで成績を見せているものは、過去の良かった期間だけを切り抜いて表示している(悪質なものだと流用している)だけなので、現在は既に勝てなくなっていると判断すべきです。
FX市場は国同士の通貨を取引しているため、通貨の価値が急激に大きく一方向へ動く(大型トレンドが出来る)ということは、あまり起きません。それがFX市場は70%がレンジ相場と言われる所以です。
レンジ相場ということはまた同じ価格に戻ってくるため、ナンピンマーチンゲール戦略が通用するわけです。
しかし、通貨の価値が急激にどちらかに振れることは稀に起こります。
その瞬間に損切をしないマーチンゲール戦略は口座破綻で終わりを迎えます。
以下のように、今まで積み重ねてきた利益をすべて吐き出して自分が入金した資金もなくなります。
マーチンゲール戦略はグリッド戦略とも言われています。
知見のある方は使うな!と注意を促している方もいます。
確かにいつか必ず破綻を迎える危険な戦略ではありますが、破綻を迎えるまでの利益率は最強です。
ロット数で比べるとロジック系のEAを遥かに凌駕します。要は使い方次第です。
これはまたいつか別の機会に書きたいと思います。
勝てるEA選定方法まとめ
・バックテストだけではなく、リアルで再現性のある戦略であること
・リアルフォワードテストを公開していてリリース後、3ヵ月以上利益を出せているか
・過去、勝っていた成績を『切り取った画像』だけで表示していたら今はもう勝てていないと思うべし。
・バックテストの場合、単利でPF1.5以上、RF5以上、最大DD10%以下、取引が月8回以上を最低ラインの目安
・最低、過去3年以上のバックテスト結果が良いか。(短い期間でオプティマイズされていないかの確認)
・公開バックテスト時のスプレッドが超低スプ(1~5)になっていないか確認
・ナンピンマーチンゲール戦略か否かを確認